今日の夕飯:スパゲティ・アラビアータ(しめじ入り)
にんにく一片
オリーブオイル適量
鷹の爪適量
作り置きトマトソース(シェフロピアさんのレシピ)適量
スパゲティ100g
しめじ半パック
アパートに帰って来た途端あらゆるやる気が削がれた気がした。
それは雨だからでも普段と違う道から帰って遠回りをしたせいでもないことは自分がとてもよく分かっている。
いつもなら帰宅したらすぐに夕飯の準備を始めるのに、スパゲティを水漬けしなくてはいけないのを言い訳にしてしばらくベッドに横になっていた。
一昨日から色んな思いが頭から離れず、そのせいでずっと苦しい。
私は最近クソみたいな待遇の会社から抜け出して、かなりの大企業で派遣社員として働いている。
配属にあたって当然業務内容を聞かされていたけども、前職に近いという話だったのに実際のところまるで違うという悲しいかな派遣業界にはとてもありふれた話の当事者になってしまった。
5年以上会社に都合のいい奴隷、あるいは歯車として働いてきたというのに、何をどう間違えたら総合職扱いが可能な人間だと勘違いされてしまったのだろう?本当に意味がわからない。私はゴミカスなんだ。目を覚ませ大丈夫か。にんにくが上手にみじん切りできない理由くらい訳が分からない。料理動画を見て玉ねぎはそれなりになったのだけど。ところでスパゲティは1時間も浸けているからそろそろいいだろうか?責任ある立場なんかクソ食らえ。あの営業担当という名の詐欺師は事あるごとに足の小指を角にぶつける呪いにかかれ。
にんにくとオリーブオイルと鷹の爪をフライパンに入れて、香りが立ってきたらトマトソースをフライパンに投入する。
沸騰してきたらしめじを入れて、一旦火を止めてレンチンでスパゲティを茹でる。一口コンロ辛い。
茹ったらまた火をつけてフライパンにスパゲティを入れる。軽く和えたら出来上がり。
夕飯はベッドに座って食べている。
行儀が悪いのは知ってるけど、何せ机が狭苦しくて目の前が壁なのがひどく居心地が悪くて好きじゃない。ヘッドボードに皿もスマホも置けるのでいつも夕飯はここが定位置だ。
母は自分で作った料理は美味しくないと言っていたけど、未だに同じことを感じた経験が無いのは幸せなのかもしれない。皿が空になるまで麺をフォークに巻き取って口に運ぶ動作はどこまでも機械的なのに、咀嚼しながら結構うまくできたおいしい、と感じているのだから今直面している状況は深刻なレベルの不幸せ具合ではないのだろう。
一息ついて作り置きのおかずを作ったりする元気もあることだし、用が済んだ包丁を仕舞う時、蛍光灯に刃が反射するのを見つめながらこのまま腹部を刺し貫いたらどんな感触がするのだろうと考えていたとしても、口にしたものを美味しいと思う限りはきっと何の異常も無いに違いない。
明日のベッドごはん
麻婆豆腐丼かクリームうどん